2019年3月16日土曜日

「応援買い」という考え方に物申す

個人的に、さわかみファンドの澤上篤人氏による「応援買い」という考え方(の前半部分)は好きです。
今回は、彼の理論を少し覗いてみましょう。

参考文献:
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26260830Z20C18A1000000?channel=DF280120166590


5年、10年、20年という長期に渡って、ずっと応援したいと思える企業に投資する

=>そういった企業であれば、株価が下がろうとも簡単には倒産しない

=>皆が売りまくって株価が大きく下がっている時に、思いきり応援買いを入れてやるのよ

=>その企業がなくなっては困るから、どんどん応援株主となっていくのだ

=>それが結果として、将来の財産作りに向けての最高の仕込みとなる

(後は、高くなったら利益確定の売りを出すだけ。この繰り返しを持って、じっくりと財産作りを進めていくのだ。。。)

下図が彼の意図を反映した挿絵です。
株価が下落した際に買い向かうという「応援買い」には、もちろん賛成です。

しかし、利益確定のために売り上がってしまうのは、応援買いという言葉からは想像もできずに誤解を招きますし、個人的に賛成できません。応援して買ったのに、売っちゃうの?

この手法は、彼が永きに渡って(低迷してきた)難易度の高い日本株で勝負してきた事で会得した教訓なのでしょう。でも、これが長期的に見て右肩上がりの米国株、とくに配当再投資を柱とした長期投資に向いているとは決して言えません。

下記にまとめてあるリンクのうちの代表作、Do nothing is the best way for going forward.にあるように、頻繁に売買を繰り返してもBetterなリターンが得られたという証拠はないからです。
そもそも、いつ売り上がればよいのか、その後いつ買い戻せばよいのかは誰にもわかりませんし、売買を繰り返した分だけの手数料や税金が発生してしまいます。

私を含めた素人投資家は、応援「買い」をするだけで、極力売らずにそのまま応援し続けるだけで良いと思います。

多くの投資家は、銘柄を購入する際には非常に熟慮するも、売る際にはその情熱の半分も使わずに見切りをつけてしまう、という記事をどこかで読みました。つまりは、売る際には短絡的に行動してしまう傾向にあるので、どうして買ったのかを含めて再び熟慮が必要である、と訴えたいのでしょう。


そんな思いを胸に秘め、Falling knifeと知りながら何度も買い向かったBTIが、もうじき日の目を見ようとしています。

BTIだけでPaper lossが$9,000以上もあった時期は、「選球眼」の無い自分に失望し、正直言って心が折れそうでした。。。匿名とはいえ、読者の皆様に生き恥を晒しましたし(笑)。

Buy and Holdって言うのは簡単だけど、実行するのは容易ではありませんね。

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さて、今週の動向を報告します。

今週の買い出しはありません。
CVSの応援買いをしようと$3000を入金したものの、低めでLimit orderをしても刺さらず、あれよあれよと上昇してしまいました。

Oより$16.06の配当(という名のお小遣い)を頂き、全自動で再投資されていきました。

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現状をまとめますと、、

1)米国版の退職金である403(b)は$323,287 でした。

― 含み益の総額は今となっては不明ですが、給料天引き$19,000、職場からのMatching $12,000、そして配当が年間を通して複利加算されます。
― 2019年より限度額が増えて、合計$19,000を税金控除して入金可能です。

ー米国株、先進国株、新興国株、米国REIT、債券といった各種の投資信託ラインナップで、株式;債券=98:2と最もaggressiveに配分しています。

― 403(b)内での年間予想配当は$7,691です。

2)子供用の学費をNo Taxで運用できるNY529 college saving programは$62,790です(元金 $58,000)。

― 2017年初から始め、黒字に転じています。

― Growth stock index portfolio (VOOの投資信託版, 70%) >> Mid-cap stock index portfolio (30%)で運用中。
― 夫婦二人で$30,000/年まで資金投入可能。2018年度分まで出資完了。
―$10,000まで税金控除可能。

3)Health Saving Account (HSA);VTSAX(=VTIの投資信託版)にCashを含めて$9,391あります。

― 毎月の給料天引き($7,000/年)と、職場からのMatching $1000/年が資金源です。
― 403bと同様に、限度額が増額されました。
― 2018年半ばから始め、黒字に転じています。

Vanguardから春の配当を得たら、口座維持手数料が無料のLivelyに乗り換える予定です。

4)2017年1月からFidelityで運用する自分年金は$300,815(自分、家内、息子のRoth IRAを含む)でした。

― 2017年から始めて、$25,615の含み益です(+9.31%)。

― 自分年金内での年間予想配当は$14,005 /yr  ($1,167 /month)になりました。
―――――――――― 次の目標は$14,400 /yr  ($1,200 /month)です。


以上、運用総額は$696,283でした(これは上記1―4の総額のみであり、預金や不動産は含まれておりません)。

―合計した年間予想配当は$21,695  ($1,808 /month)です。
―――――――次の目標は$22,800  ($1,900 /month)です。

Capital gainには四季のように増減が付き物ですが、ありがたいことにIncome gainは少しずつ増えてゆくばかりです。

不安な時は、未来の配当予想額をボーツと眺めて、さらに経年変化の棒グラフでも作成して、一人静かにニヤニヤして気を紛らわせましょう(キモっ)。


参考までに、自分年金のPortfolioは以下の通りです。



さて、、、と。

懺悔室へようこそ;

今回も上記の自分年金における、-$1,000以上の含み損を成績順に発表します。

数少ない読者の方々にとって、「他人の不幸は蜜の味」ですよね。
今回も下落幅が大きく拡大したままです。
愚かな奴 !!!と、笑ってやってください。

でも、数年内にこれらの負け犬が一つずつ含み益への圏外に消えていく日を密かに夢見ています。Buy and Hold !!!

遠い将来に浮上してくれれば、現在のPaper lossは気になりません。
(成長したな、、オッサンKよ、、、)。

実は下記のワースト 2-4位の企業は、いずれも他社を合併して多額の負債を抱えている点で共通しており、株価低迷の大きな原因を占めています。いわゆるGrowing Painというヤツですね。Cash Flowが安定していれば、長期的に見て「良い負債」だと思いますけどね。


ワースト4位; British American Tobacco; BTI    -3.36%,   -$1,280

Brexitへの不透明感、およびMenthol味の規制というFDAの報告を受けて、大暴落の真っ最中でしたが、急激に上昇してきました。この勢いなら、もうじき圏外に抜け出すかもしれません。
MorningStarによると、BTIのFair Valueは$59らしいので未だにUndervaluedです。

BTIは、FDAによるMenthol規制案に断固として反対する姿勢を遂に示しました。
さらに今年も増配すると最近発表されました。ヨッシャー!!

つい先日まで「眠れる獅子」状態だったBTIが上昇の兆しを見せ始め、ついに自分年金の首位の座へ昇格しています。諸事情でコテンパンに売り叩かれたValue stockがどこまで、そしてどういう風に上昇するのか、客観的に楽しみです。


ワースト3位; AT & T ; T -10.7%,  -$3,662

永遠の不発弾Tは相変わらずの含み損です。
株式を始めてすぐに購入し始めたのが T でした。まさにタイミングを誤って購入しましたが、この過ちは長期保有と底値付近での追加購入により解決するしかありません。

TWXとTとの合併阻止を目指したDOJによるAppealがようやく却下されました。この案件が最高裁に持ち込まれない限りは、TWXはTの元でWarner Mediaとして正式に機能して行くことになります。
MorningStarによると、TのFair Valueは$37らしいので、まだまだUndervaluedです。


ワースト2位;   CVS Health Corporation;  CVS -16.0%,  -$3,190

最近の悪決算を受けてCVSが急落して懺悔室に新たに仲間入りしただけでなく、トップを狙える位置まで昇り詰めました。
CVSのFair Valueは$80-96ですから、かなりのUndervaluedですね。

CVSは今も出血大セールの真っ最中です。
前回頑張って買い増しましたが、あっという間に52wks lowを更新し、6yrs lowを更新したそうです。ここまで叩き売られたのを受けて、Insiders buyが始まりました。

やっとBTIが上昇したと思ったら、CVSが奈落の底に沈んでいます。この辺りが、個別株のリスクでもあり、醍醐味とも言えるのでしょう。まあ、私は応援買いをするだけですけどね。


ワースト1位;Vector group;VGR    -29.2%,   -$1,964

タバコ会社とNYC不動産会社の二足のわらじを履くVGRが依然としてトップに君臨しています。BTIなどと同様に、たばこ会社にはかなりの逆風が吹いています。
Roth IRA内での投資ゆえに、VGRからの配当を自動再投資(DRIP)するだけで、Do nothingです。
BTIと同様に底値から少し上昇し始めました。最近の決算はまずまずでしたし、Cash flowも一安心でした。
とはいえ減配さえなければ良いので、あと一年位は低値のままでいて下さい。。。



こんなに不安定な時期でも、各社から配当金が入り再投資できるのは有り難いものですね。

皆さんも、相場から逃げ出さずに喰らいついて行きましょう。


<過去の名言集:各HPへとリンクしてあります>

‐‐ 下記の記事が、埋もれずに人気記事として右上に表示されて欲しいという願いを込めて。
(私の過去の投資成績なんて、ある意味どうでもいいんです。買うだけですから。)


Do nothing is the best way for going forward. by Fidelity investments


Don't jump out from your ship! Get invested, stay invested. by J.P.Morgan


Keep investing, no matter how frightened you are !! by John Bogle (故: "Saint Jack") @ Vanguard 


If you want good investment performance, forget you have the account. by Fidelity investments


It's about time in the market not market timing. by Kiplinger


個人投資家1.3万人の調査結果 by 日経新聞


長期投資の鉄則;買った値段は気にしない by 苦瓜達郎 氏

株は上質なギャンブルである by 外山滋比古 氏

今後も、米国での投資・退職金を取り巻く現状や、私が学んだ投資に関する豆知識などを情報発信していきます。

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